恐れをなし、戦場から逃げて虜囚となった兵士の物語です。 落下傘による参戦時の緊張感、虜囚となって得られたある種の安堵、そして戦友と再会してからの罪悪感。 場面の変遷ごとに描写される主人公の内面が丁寧で、臨場感があります。 収容所の外で何が起こっているのかは、間接的でおぼろげな情報しか入ってこず、戦争の背景など詳しい情報は明かされませんが、それによって主人公の内面に注目しやすくなるのと同時に、一介の兵士が置かれた状況にリアリティを加えているように思えました。
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