概要
たとえ全て(の髪の毛)を失っても、この世界を救う……!
四十六歳。
無難でうだつの上がらない長友慎太郎は、社会の荒波に揉まれながらも、妻と一人娘を持つどこにでも居るサラリーマンである。
彼には外見に特徴があった。頭頂部の毛がかなり薄くなっており、周りの毛をかき集めて何とか体裁を整えている惨めな状況であった。
とある日のこと。仕事で疲れ帰って来た慎太郎はリビングのソファーでそのまま眠ってしまう。
目が覚めると、そこは見慣れぬ光景であり、馬車の荷台に乗せられ、黒き獣から必死に逃げている最中であった。
そんな危機一髪の状況で、慎太郎は一人の少女と出会う。
桜色の髪と翡翠色の瞳を持った、大巫女と呼ばれる彼女は、慎太郎をこう呼ぶ。
大神官様、と。
慎太郎は、世界を滅びへと向かわせる存在である黒き神を封印できる唯一の存在である「大神官」として、異世界へ召喚さ
無難でうだつの上がらない長友慎太郎は、社会の荒波に揉まれながらも、妻と一人娘を持つどこにでも居るサラリーマンである。
彼には外見に特徴があった。頭頂部の毛がかなり薄くなっており、周りの毛をかき集めて何とか体裁を整えている惨めな状況であった。
とある日のこと。仕事で疲れ帰って来た慎太郎はリビングのソファーでそのまま眠ってしまう。
目が覚めると、そこは見慣れぬ光景であり、馬車の荷台に乗せられ、黒き獣から必死に逃げている最中であった。
そんな危機一髪の状況で、慎太郎は一人の少女と出会う。
桜色の髪と翡翠色の瞳を持った、大巫女と呼ばれる彼女は、慎太郎をこう呼ぶ。
大神官様、と。
慎太郎は、世界を滅びへと向かわせる存在である黒き神を封印できる唯一の存在である「大神官」として、異世界へ召喚さ
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!すべてのことが、かみにつながる
まずはキャッチコピーである。括弧内である。括弧内がなければかっこいいセリフなのだが、括弧内である。
とにかく読んで欲しいのだが、読んでいるとどうしても穿った見方をしてしまう部分があるのだ。
あれ、これまさか、髪のこと?
また髪の話?
それすらも楽しいことであり、ぜひとも探していただきたいのがちりばめられた髪ネタである。もはや神すらも髪に見えてくる。
そして内容と文章がきっちりしているというのがまた面白いところなのだ。
主人公が扱う「ヤナギノク」もよく考えられており、異世界転移の物語としても非常によくできた作りをしているように思います。
ぜひご一読ください。ぜひ髪ネタも探してください。