誰れや詠む もうこんなにも ない地でも~頭頂部薄めのアラフィフは滅びゆく異世界を救うため、一句吟じます~
南方 華
第零髪 引き換えの 毛根何も 無い頭部
全ての力を使い果たした男は、地面に
しばらくして、おもむろに頭上を
――ようやく終わったのだと、改めてそう実感した。
そのまま
すると、脱力した身体から、はらはらとソレは落ちていく。
その様子はあまりにも物悲しく、残酷だ。枯れた大地に積み重なっていくソレが、男の戦いぶりを、選んだ生き様を
そんな男の左肩にそっと、共に戦ってきた少女の手が乗せられる。
後ろからそのように触れられるのは、10年前、当時の上司にされて以来だ。しかも、その後、男は転職を
まさに、トラウマ。
だが、もしかすると。この優しく置かれた手ならば、あるいは──。
覚悟を決め、おそるおそる目を開き、地面を見る。
が。
視界に飛び込んできたのは、代償として
「全部、抜け落ちてしまいました」
少女は、身をさらに寄せると、耳元で切なげにそう囁く。
温かみのあるその
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