テーマが深い。描写が深い。キャラが深い。底なし沼のようにのめりこむ――

第一章(十話)を読み終えての感想・レビューです!

まずは一言……「小説」を読みたい方、間違いなくおすすめです。

本作は、中世ヨーロッパの世界観を借り、架空の宗教を創造してそれらを巡る対立を描いている作品です。

この作品に命を吹き込むには、よほどしっかりと物語の核となる世界観、つまりは宗教と、それらを取り巻く環境について細部まで作りこむ必要があると思いますが、まあその緻密なこと。

反対に、世界観の細かい説明だけがだらだら続いても、途中で読む気が失せてくるものですが、本作では第一章の早い段階でストーリーにも動きが見られ、見事に導入を成功させています。

第一章を読み終えて、思わず「ああ、面白い…」と唸りました。笑


★こんな人におすすめ★

・世界観が練られた小説が読みたい。
・キャラクターの「リアルな葛藤」が見たい。
・シリアス100%の小説が読みたい。


□良かった点

昔学校で、日本人のキリシタンが『踏み絵』をさせられていたこと、それが出来ずに処刑された人たちも大勢いたことなどを習った時に、「いや…絵踏むだけで命助かるんだから、踏めば良いじゃん…」と思っていたのですが、本作を読んで、「ああそうか、この時代の人たちにとって、宗教ってそんな軽いものじゃないんだ」というのが、納得できたような気がします。

もちろん、宗教戦争というのが昔から各地で起きていたというのは、一般的な知識として知ってはいたわけなんですが、本作のキャラクター達のリアルな描写によって、宗教とは単なる心の拠り所ではなく、「生き方」そのものなのだな、ということが伝わってきました。

すみません、少し脱線してしまいましたが、何が言いたいかといいますと、本作の良さは、架空の宗教を核としながらも、「圧倒的なリアリティ」のある描写によって、その世界観にどっぷりと没入できる点にあります。

私自身、「宗教」そのものに興味がある方ではないのですが、それでも十分楽しめましたので、中世ヨーロッパや宗教に明るくない方であっても、自信をもっておすすめできるかと思います。


これからも応援しております!

以上、水無月トニーでした。

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