一角獣はアセクシュアル

作者 ロコ

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★★★ Excellent!!!

ウブで真面目な日本人留学生の少年がいきなりドラッグにまみれるアウトローたちとの生活に放り込まれ、取っ掛かりから普通の日本人な自分はムネチカの保護者な視線でビビるやらハラハラするやら戸惑った(笑)
ロンドンのストリートやスクアットパーティー、ドラッグでラリッてる描写は秀逸でリアリティがあり、この作者はロンドンに住んでるかその経験があり、そんでイケナイ遊びにも手を出してたのではと思ってしまうほど。他の方のレビューで全て想像で描写してるとあり、ただただ驚くばかり。
気が付けばどっぷりその世界に入り込み、ムネチカの目線で刹那的で危うくてキュートな魅力のモイラに釘付けになり恋している。
そして途中からなぜかバックには、スクアットパーティーとはほど遠い「スタンドバイミー」が聞こえるような雰囲気が漂い(自分だけかも( ̄▽ ̄;)テーマ曲のように頭を巡る。
短くも長い4カ月でムネチカ少年は成長し、モイラは恋を知る(とは書いてないが、知ったと思う)。
いつの日か、4人の胸の中にこの友情がかけがえのないものとして蘇るだろう。ひとこと紹介の通り甘くて苦くて切ないのだけど、読後には清涼感すら感じてしまう傑作です。

ロコ様
下らない応援コメントばかり書いてすみません。丁寧にお付き合いいただきありがとうございましたm(__)m

★★ Very Good!!

全話を読み終えての感想です!

私、普段のレビューのテンプレが、

①総評→②「こんな人におすすめ」→③良かった点→④気になった点(あれば)

という感じなのですが、本作については②~④を上手く書ける自信がなく、今回は「結局何が言いたいの?」的な感想になってしまうかもしれませんが……。書かせていただきたいと思います。


私、大槻ケンヂさんの小説やらエッセイが大好きでして。
大槻ケンヂさんの作品って、ゴリゴリにアングラで、多分トびながら書いてるんじゃないかなってくらい意味不明な時があるんですけど、何故か青春のきらめきみたいなものがあって、ぎゅっと胸が締め付けられるという……。

本作も、読み始めは「あ、大槻ケンヂ作品っぽいのかも」という印象を受けました。


ただ、本作に「共感」や「感情移入」をできたかというと、正直微妙でした…。
これ、薬物やリストカットの経験がある方や、ご自身がLGBTIだったり、身内にLGBTIの方がいらっしゃる方であれば共感するのかな??

ターゲットをそうした方に絞っているのであれば、きっと本作は成功しているのだと思います。

ですがもう少し読者層を広げたいとするならば、登場人物たちの心象風景や思考回路などの描写を増やし、こちらに「こういう人もいるんだ」「こういう世界があるんだ」ということをもう少し具体的に教えて(イメージさせて)いただけると、より共感できたのかな、と思いました。


作者様の別作品『サブタレニアンの子供たち』もそうですが、アングラな世界観の作り込みと描写は一級品で、きっと好みがばちっと一致すれば、どっぷりのめり込むこと間違いなし、なのだと思います。

なので、決して作者様や本作にケチをつけたいわけではなく、本レビューをお読みいただいた方には、「とにかくまずは読んでみて!そしてどう思ったか感想を書き込んで!」と言いたいのです。笑
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★★★ Excellent!!!

「恋愛関係のなかで愛し、愛されること」が人生における至上の価値だという考え方や、相手もまた自分を”愛している”のなら、同じ『愛のかたち』を返してくれるものだ、という期待がスタンダードなものとされる世の中はときに息苦しいですが、
鋳型のカテゴリに当てはまらない、脆くもしたたかに生きるモイラたちとの生活から、いろんな愛情のかたち、他人との繋がりの在り方を実感できる、なんだか救われる心地をくれる物語です。

そんなテーマを重苦しくなく、読むだけでトリップしてしまいそうなリアルなドラッグ描写やDJパーティの熱狂感を交え、甘酸っぱい青春とともに楽しく描いています。
特に、二日ぶっ続けのパーティ後に仲間とブランコに乗ってはしゃぐシーンは、締めくくり方も含め、たまらなく青春していて憧れてしまう…!

★★★ Excellent!!!

最初にハッキリと言っておこう。

俺はドラッグが大嫌いだ。

ニューヨークにいた頃、ポット(マリファナ)パーティに誘われたり、アシッドが欲しけりゃ俺を呼べと言われたり、スマック(ヘロイン)常用者特有の顔面の吹き出物を見ては、「絶対に手を出さない」と心に誓っていた。
大学でタバコを吸っていたら、ポット常用者が「タバコなんて身体に悪いからやめなよ!」と言われて呆然とした。

しかし、それはあくまでリアルでの話。
フィクションの題材として丁寧に扱われるのなら、構わない。なぜならドラッグは世代や地域によっては「生活の一部」として描写すべきものになっていることが多々あるからだ。

前置きが長くなったが、本作を読み始めたとき、筆者はロンドンに居住していたか、もしくは滞在経験があるのだろうと思った。しかしコメントにて、地図やアプリを使って情景描写をイメージしていると伺い驚いた。
自分が実際に見たものしか空想では上手く描写できない私からすると、本作の具体的な地名、ストリート名から成る描写は具体的かつ説得力があり、要するに羨望の嵐。

特にスクアット・パーティの描写は秀逸で、知識としてしか知らない『レイヴ』を勝手に想像してしまった。

また、これは余談だが、俺はパンクスである。パンクスの元祖はロンドンだセックス・ピストルズだという認識が根深いが、実はニューヨークの方が先なんですよ(敬語)。

最後に、本作は青春小説であると同時にダーティで泥臭い、しかし輝かしい恋愛小説である、という太鼓判を押して脱兎。