たとえまるごと理解できなくたって、魂の震えを分け合うことはできる

「恋愛関係のなかで愛し、愛されること」が人生における至上の価値だという考え方や、相手もまた自分を”愛している”のなら、同じ『愛のかたち』を返してくれるものだ、という期待がスタンダードなものとされる世の中はときに息苦しいですが、
鋳型のカテゴリに当てはまらない、脆くもしたたかに生きるモイラたちとの生活から、いろんな愛情のかたち、他人との繋がりの在り方を実感できる、なんだか救われる心地をくれる物語です。

そんなテーマを重苦しくなく、読むだけでトリップしてしまいそうなリアルなドラッグ描写やDJパーティの熱狂感を交え、甘酸っぱい青春とともに楽しく描いています。
特に、二日ぶっ続けのパーティ後に仲間とブランコに乗ってはしゃぐシーンは、締めくくり方も含め、たまらなく青春していて憧れてしまう…!

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