見えるだろ、誤魔化すなよ

ああ、この話、好きすぎる。イギリス、テクノ、ドラッグ、アンダーグラウンド…… すべての要素と描写がカッコ良くて憧れてしまう。約3万字という短い尺の中で、まさしくダンスミュージックのように止まらない刺激的なイマジネーションの連打。モイラをはじめ、生々としていて息遣いや肌の温度を感じさせる魅力的なキャラクターたち。
そして、テクノ。
僕の頭の中ではMike HuckabyのThe Tresor Trackが脳内BGMとしてずっとリピートされていました。いやそれだけじゃない。ミニマルからハードコア、ノイズやエレクトロニカに至るまで様々なリズムが止めどなく紡がれてゆく感覚。たまんねぇ。
なんというか、ダンスミュージックには、サウンドの前にすべての人が対等になる感覚があります。それは平等な愛のようでもあり、しかし特別な存在になることを拒否されているようでもある。「モイラ」という存在がテクノとともに語られる事に、僕にはとてもグッとくるものがありました。こんな素晴らしい作品と出会えて嬉しくて仕方がありません。
ちなみに脳内エンディング曲は長谷川白紙さんの「ユニ」。聴いてるとなんか涙出そう。

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