概要
光なんて無い。現れちゃくれない。だとしても、俺は明日の光へ手を伸ばす。
夏休み中のある日。何もかも無気力な少年・来栖頼都は、友人の尾鷲永輝に呼び出される。
陽の光が燦燦と降り注ぐ中。田舎道を自転車で疾走し辿り着いたのは、山の入り口から程近い洞窟。
そこで頼都は、思わぬ出来事に巻き込まれる。
―――夏休み中のある日、彼は己を振り返り成長していく。
光なんて無い。現れちゃくれない。
だとしても、俺は明日の光へ手を伸ばす。
※カクヨム甲子園2020・ロングストーリー部門応募作品です。
陽の光が燦燦と降り注ぐ中。田舎道を自転車で疾走し辿り着いたのは、山の入り口から程近い洞窟。
そこで頼都は、思わぬ出来事に巻き込まれる。
―――夏休み中のある日、彼は己を振り返り成長していく。
光なんて無い。現れちゃくれない。
だとしても、俺は明日の光へ手を伸ばす。
※カクヨム甲子園2020・ロングストーリー部門応募作品です。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!一筋とて天照らす行く末を、仰ぎ見る。
人生。まだ高校生の僕ですら何度も停滞感や閉塞感に苛まれた経験があるのだから、これから何十年、長い歩みの中で人間というものはその足を鈍らせたり、なかなか変わらない景色に鬱屈さを覚えたり、苦しんだりするものなのだろう。
本作は洞窟探検という一見子供じみた遊びの中に、人生という遠大な旅路を投影する。
むしろ、高校生というまだ完全に大人になりきれていない少年の人生を「洞窟」に喩え、苦悩しながら己を探し、明日に差す光へ気づく――そんな青春の未熟さ残る1ページを、「洞窟探検」という言葉の幼気な印象に重ねたのかもしれない。
一寸先は闇のような逆境とて、完全な暗黒ではない。
ときには振り返って来し方を顧み…続きを読む