ポスト・クレジット・シーン

地獄。

柳生十兵衛は目を覚ました。


彼の周りを、同じように地獄に落ちた先達の亡者たちが取り囲んでいる。

十兵衛は起き上がると亡者たちには目もくれず、近くにあるピラミッド状の墳墓に上り始める。


「新入りか」

「可愛い口だ」

亡者が彼を見て嘲笑う。


十兵衛は振り返り、亡者たちに告げる。

「俺は柳生十兵衛だ。覚えておけ、お前たちのボスだ」


亡者たちが怒りに顔を歪める。

十兵衛は気にせず続けた。

「挨拶はいらん。お前らが、俺を覚えておけ」

高らかに宣言する

「俺は最強の剣士≪ザ・ワン≫となる」


怒り狂った亡者たちが十兵衛に殺到する。

十兵衛は亡者たちを殴りとばし、蹴り落としながら墳墓を上り続ける。


その頂点に立った十兵衛に無数の亡者が襲い掛かる。

十兵衛はそれを薙ぎ倒しながら吼える。


上空に冥府の獄卒の監視VTOL機が旋回する。


格闘は果てしなく続く。

彼に向かう亡者の群れは地平線まで広がっている。

十兵衛は亡者を倒し続ける。


暗闇の空に、雷が光った!


(柳生十兵衛がやって来る ヤア!ヤア!ヤア! 完)


(田中角栄がやって来るに つづく)

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柳生十兵衛がやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ! アロハ天狗 @alohatengu

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