差し伸べられた手を受け入れること

昨今「いじめ」というものを聞かないことの方が珍しい。いじめなどという一括りの言葉に覆われたそれは、人の心を壊していくものなのだろう。
けれど他を完全に理解ができず、そして異質なものに違和感を覚えるというのが人間である以上、いじめをなくしましょうというのは綺麗事にしかならないのかもしれない。
この作品は「いじめ」というものを描き、そして、誰か一人の手でも救われること、その手を取ることすら勇気がいること、変わるためのきっかけは様々あること、そんないくつものメッセージが込められているように思う。
あなたは誰かに手を差し伸べられますか、貴方は差し伸べられた手を素直に取れますか。
どちらも難しいことなのかもしれないが、それができる人が増えればきっと世界は変わるのだろう。そう思える作品でありました。ぜひご一読ください。

その他のおすすめレビュー

千崎 翔鶴さんの他のおすすめレビュー816