概要
境界はなぜできるのか、もう一度考えてみませんか?
貴方は誰かを救うことができますか?
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!心の壁を溶かす優しさと希望が詰まった物語
この作品、読んでる間ずっと心がじんわり温かくなって、何度も「優しさってすごい力を持ってるんやなぁ」って感じさせられる素敵な物語やで。テーマは「境界」。この言葉が持つ意味や重みが、物語を通じて深く掘り下げられてるんやけど、それがただ暗く苦しいだけじゃなくて、ちゃんと光が見えるのがこの作品の最大の魅力やと思う。
登場人物たちの心の変化がとても丁寧に描かれていて、自然と共感できるんよ。読者として、まるでその場に立ち会ってるかのようなリアリティを感じられるし、登場人物同士の小さなやり取りが、心にぐっと響く瞬間がたくさんあるねん。
特に良かったのは、誰かの優しさがどんなに人の心を溶かす力を持ってる…続きを読む - ★★★ Excellent!!!まっすぐな文章
クセがなくて読み易い文章でした。作者さんの人柄が見えるというか、作品の内容と同じで繊細で人を良く見ているのだろうなと感じました。またいじめというテーマに真摯に向き合っている熱も感じる良い文章でした。
ただすっごい勿体なく感じた部分があったので生意気なのですが書き残します。
構成、書く順番を変えるともっと良くなると感じました。
例えば出だしが現在→過去の回想の方がより分かり易く印象的になるのかな?
一話の中では特に「靴箱を見て靴がなく、それなのに何事もなかったかのように上履きで帰宅を始める」というシーンは読んでて頭の中に絵が浮かぶし強烈です。ここを冒頭にもってくると「いじめ」というテーマ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!果たして自分は「そう」であれるだろうか?
学生時代に誰もが抱く自問自答を、目の前に今突きつけられたような、リアルに問いかけられているような感覚になりました。
物語は一人の少女と一人の女性から紡がれていくほんの日常。
少女の心の叫び、そして女性の大人な世界へといつの間にか誘われていく。
いつも通りの日常なんてない。「いつも」は必ず徐々に壊れゆくものなのだ。そうして新しい「いつも」に変わっていく。
自身の過去ももしかしたらそうだったのかもしれない。気づかないうちに壊れては作り直す日常を送ってきていたのかもしれない。
自分を見つめ直す、良い機会をくれた作品でした。
皆様もお手に取ってみて、自分はどうなのだろうと見つめ直してみてはいか…続きを読む - ★★★ Excellent!!!差し伸べられた手を受け入れること
昨今「いじめ」というものを聞かないことの方が珍しい。いじめなどという一括りの言葉に覆われたそれは、人の心を壊していくものなのだろう。
けれど他を完全に理解ができず、そして異質なものに違和感を覚えるというのが人間である以上、いじめをなくしましょうというのは綺麗事にしかならないのかもしれない。
この作品は「いじめ」というものを描き、そして、誰か一人の手でも救われること、その手を取ることすら勇気がいること、変わるためのきっかけは様々あること、そんないくつものメッセージが込められているように思う。
あなたは誰かに手を差し伸べられますか、貴方は差し伸べられた手を素直に取れますか。
どちらも難しいことな…続きを読む