まっすぐな文章
- ★★★ Excellent!!!
クセがなくて読み易い文章でした。作者さんの人柄が見えるというか、作品の内容と同じで繊細で人を良く見ているのだろうなと感じました。またいじめというテーマに真摯に向き合っている熱も感じる良い文章でした。
ただすっごい勿体なく感じた部分があったので生意気なのですが書き残します。
構成、書く順番を変えるともっと良くなると感じました。
例えば出だしが現在→過去の回想の方がより分かり易く印象的になるのかな?
一話の中では特に「靴箱を見て靴がなく、それなのに何事もなかったかのように上履きで帰宅を始める」というシーンは読んでて頭の中に絵が浮かぶし強烈です。ここを冒頭にもってくると「いじめ」というテーマがはっきり伝わるし「いじめに慣れた主人公」に対して読者は今までどんなことがあったのか?と疑問を抱きます。その後に過去のいじめ、無意味だった人権学習が続くとより物語に引き込むことができると思います。
ただそういったうがった狙いを持たない今のこの作品のまっすぐな構成も、いじめというテーマに対して生々しさを生んでいるし、作者さんの素直な文章は素敵なので崩さずそのまま書き続けるべきかもとも感じます。
なので本当に無用なお節介かとは思うのですが、もし今後文章的な面白さを追求したいと感じることがあれば、どのシーンが強烈な印象なのか?どの順番で見せるべきか?あたりをつけて構成を整理してみてください。しっかり熱量を持った作者さんならまた違った面白いものを書けると思います。