クセがなくて読み易い文章でした。作者さんの人柄が見えるというか、作品の内容と同じで繊細で人を良く見ているのだろうなと感じました。またいじめというテーマに真摯に向き合っている熱も感じる良い文章でした。
ただすっごい勿体なく感じた部分があったので生意気なのですが書き残します。
構成、書く順番を変えるともっと良くなると感じました。
例えば出だしが現在→過去の回想の方がより分かり易く印象的になるのかな?
一話の中では特に「靴箱を見て靴がなく、それなのに何事もなかったかのように上履きで帰宅を始める」というシーンは読んでて頭の中に絵が浮かぶし強烈です。ここを冒頭にもってくると「いじめ」というテーマがはっきり伝わるし「いじめに慣れた主人公」に対して読者は今までどんなことがあったのか?と疑問を抱きます。その後に過去のいじめ、無意味だった人権学習が続くとより物語に引き込むことができると思います。
ただそういったうがった狙いを持たない今のこの作品のまっすぐな構成も、いじめというテーマに対して生々しさを生んでいるし、作者さんの素直な文章は素敵なので崩さずそのまま書き続けるべきかもとも感じます。
なので本当に無用なお節介かとは思うのですが、もし今後文章的な面白さを追求したいと感じることがあれば、どのシーンが強烈な印象なのか?どの順番で見せるべきか?あたりをつけて構成を整理してみてください。しっかり熱量を持った作者さんならまた違った面白いものを書けると思います。
学生時代に誰もが抱く自問自答を、目の前に今突きつけられたような、リアルに問いかけられているような感覚になりました。
物語は一人の少女と一人の女性から紡がれていくほんの日常。
少女の心の叫び、そして女性の大人な世界へといつの間にか誘われていく。
いつも通りの日常なんてない。「いつも」は必ず徐々に壊れゆくものなのだ。そうして新しい「いつも」に変わっていく。
自身の過去ももしかしたらそうだったのかもしれない。気づかないうちに壊れては作り直す日常を送ってきていたのかもしれない。
自分を見つめ直す、良い機会をくれた作品でした。
皆様もお手に取ってみて、自分はどうなのだろうと見つめ直してみてはいかがでしょうか?
昨今「いじめ」というものを聞かないことの方が珍しい。いじめなどという一括りの言葉に覆われたそれは、人の心を壊していくものなのだろう。
けれど他を完全に理解ができず、そして異質なものに違和感を覚えるというのが人間である以上、いじめをなくしましょうというのは綺麗事にしかならないのかもしれない。
この作品は「いじめ」というものを描き、そして、誰か一人の手でも救われること、その手を取ることすら勇気がいること、変わるためのきっかけは様々あること、そんないくつものメッセージが込められているように思う。
あなたは誰かに手を差し伸べられますか、貴方は差し伸べられた手を素直に取れますか。
どちらも難しいことなのかもしれないが、それができる人が増えればきっと世界は変わるのだろう。そう思える作品でありました。ぜひご一読ください。
私はASDという障害を持っているせいで、できないことが多く、避けられたりバカにされてきました。
そのせいで、後ろ向き思考になって人づきあいに支障が起きたりしていましたが、支援してくれる大人や、冷静に分析してくれる友人のおかげで何とか大学生活が送ることができています。
小中学生時代に愛情に飢えていた私ですが、何年も経って知らなかった周りの優しさに気づくことができました。
「救われるかどうかは自分次第」
これには私も共感しますし、苦しんだ分人を助けたいという気持ちは小学生の頃から変わりません。
勇気の1歩をくれる小説です。
苦しんでいる人にぜひ読んでもらいたいですね。
僕は統合失調症ですがいじめに関しては子供のころからありました。人一倍ガリガリでやせていて、サッカーボールを当てられたり自転車を上級生から蹴られたり下級性にも笑われていました。いじめを受けるので石を持って相手の頭を殴ったこともあります。小学生の頃です。数えれば数えきれない地獄を29歳の時発症してから十四年間過ごしています。精神科で薬と注射を打っています。精神科病院は4年半居ました。不幸自慢ではないのですがいじめは一人の物じゃないと僕は考えています。いじめのグループ療法でもあれば緩和するのではないでしょうか、僕も素人で簡単に言えませんが繊細な問題と思います。これからも共有できる仲間が増えることを願っています。長くてすいません。
昨今取り上げられる「いじめ」をテーマにした作品。この作品はそれを小説として書かれた作品ですが、それによってメッセージ性も際だったものとなっています。
視点が変化していくことで、読者がそれぞれの立場からも感情移入できる作品です。
「いじめはいけません」。こんなありふれたフレーズで防ぐことが出来る様なものだったなら、いじめはこんな蔓延っているはずがない。簡単に解決出来る様なものだったなら、ここまで苦しむ人がいるはずがない。
先生がアテにならないことなんてままあることだ。そして、自分がいじめられることが怖いから、周りは手出ししようとしない。次第にそれは暗黙の了解となって同調圧力になっていく。いじめられた側もまた、耐えるために自分の心に蓋をして、自分の周りに防護壁を築こうとする。そして孤立していってしまう……。
でもね、ちょっと待って。どこかに、手を差し伸べてくれる人は必ず居るから。それが学校内にいるとは限らないけれど、あなたを理解してくれる人、味方になってくれる人は間違いなく居るから。
私も含め、読んだ人が誰かを救える存在であれますように。
「いじめ」というテーマで描かれる本作品。
人権学習なんかでもよく先生に聞かされていた「いじめ」はやってはいけません。
あれほど、信用のおけない無駄な時間はない。
人間である限り、この現代社会において、まず悲しいことになくなることはないでしょう。
世界は平和。
でも、彼女の周りは平和とはかけ離れている。
そんな中、彼女は出会う。
とあるスーツを着た大人の女性に。
掛けてくれた言葉は、心に刺さるものだった。
「それでいいの?」
変わろうとするきっかけを。
チャンスをみつけ、掴むのも自分なのだ。
手を伸ばし、何かを変え、現状を打破する。
思っている心の問いかけを自身にすることも大切だと感じました。
イジメの問題をコンパクトにまとめたなと読みながら感じました。
イジメというのは基本個人対集団でしか発生しません。
個人対個人であれば基本ケンカになります
その解決方法は集団の人数が少なければ 自力と言う方法も
取れますが、集団の人数が多いと、同調圧力も加わるので
基本一人ではもうどうにもなりません。
そこで本作品は回答のうちの一つ。どうにもならないなら
今ある集団以外(同調圧力外)に人間関係を作る事で解決を
図ろうとの話の構図のようにお見受けしました。
さらにコンパクトにまとまっている中で、読者がこの作品の
中のOLさん?のような立ち位置になりませんか?
一声の勇気で人を救うことが出来ますよというメッセージまで
上手く込められていると読み取れました。
短い文章ながら考えられた構成になっているので、
色々考えさせられました。