この「物語」の結末は?

 中華風と銘打たれている通り、漢字の名前、国名に想像力をかき立てられます。

 地理の説明にも広さを想像できる細やかさがありながらも、人に関する描写が大らかさを感じさせ、ふと南の方の気風を思い浮かべました。

 海賊、島主、異世界から来た金髪の天女…煌びやかな情景が頭の中を駆け巡りました。

 西洋風、または和風のチャンバラに慣れた頭に、色彩を感じる華やかさを纏った陰謀劇は真新しい刺激です。

 登場人物の造形も、明らかに劣った者が存在せず、またそういう風に他者を扱う描写もないところに強く惹かれる点があります。

 この物語を書いたという天女キムと、その物語に存在しなかったという翠…この結末は、目が離せませんでした。

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