除草のお話…?と不思議に思いながら読み始めましたが、職員さんたちの動きや心情が事細かに伝わってくる実況のような文章にみるみる引き込まれていきました。とても読みやすい言葉運びです。“繁殖力の強い植物を駆除する話”と言ってしまえばそれまでのはずなのに、いざ読み出せば不思議と怪獣映画を観ているような壮大さまで感じます。着眼点と発想力が光る作品でした。「職員たちの憐憫の情は~」の一文がとても好みです、本文で探してみてください。
アレチウリ、知らなかったので調べてしまいました。ザ・ツル!って感じの、よく見るツタの生えたあれですね、駆除隊の動画とかも見ました。いや、そんな言ってしまえば地味な、地区の職員レベルから始まる話をよくもまあ、こう引き込むように読まさせます。足をツタでぐいぐい引き込まれました。壮大なスペクタクル!って感じではない、想像することの出来る範囲の植物パニック的な話でしたので、イメージしやすかったですね。植物パニック、いいですね。興味を持ちました。また、読まさせていただきます。おもしろい物語を、ありがとうございました。
ただのツル植物と侮るなかれ。多摩川が無言の緑に覆い尽くされる恐怖。そして、それに抗う人間たち。短編映画を見終わった後のような読後感です!
もっと見る