小説の新たな可能性

この小説を既存の小説のつもりで読み始めると大きく裏切られることになるだろう。
ここにあるのは新しいゲーム小説の可能性の姿だと私は感じた。
お断りしておくが、この作品は間違いなく小説である。
文章はしっかりしているし、内容も面白い。
ただし、文体、構成が既存の小説の枠に囚われることなく、読者を実際にゲームをしているような感覚に陥らせる。
実に面白い試みで、それだけでも先を読み進める魅力を持っているが、さらにはしっかりと多くの伏線を用意することで読者をゲーム世界へ引き留める。
先が楽しみで、いまの作風を迷うことなく維持し、完結まで駆け抜けて頂きたい期待の作品!
是非ご一読を!

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