真っ直ぐなことはこれほどまでに美しく輝いている。……だからこそ目が眩む

 最後まで楽しく読ませていただきました。
 最初ヒロインの相手の話を聞かない猪突猛進な姿に軽く引いていましたが、でもそれは単純に好きな人にただ好きだって気持ちを知ってほしいという一人の女の子の「伝える」勇気を振り絞ってこその姿だと勝手な自己解釈をして心を打たれました。
 そこからは主人公からの視点で確かに主人公に一理あるよなって場面でもヒロインがここまで言ってるんだからいいじゃんって感じで少しこちらも甘くなってしまって(笑)。
 主人公も傷つけるのが嫌と言いつつも自分が傷つくのが嫌で、でもそれってとても人間的な感情だよなって、だからこそ真っ直ぐなヒロインのことを見ているには眩しくて彼女の言葉の奥の真意から無意識で目を背けていたのかなって思ったんです。しみじみ。
 未完成な青春時代だからこそ二人はすれ違い、傷つき、なかなか交わらない。でも、青春ラブコメは間違ってこそですよね。
 感情描写が丁寧なのでキャラが言っていることが頭でなく心でスッと理解できて、同時に背景描写にも思い浮かべるための最適な情報が揃っていることで二人の過ごす時間が喜びも葛藤も色鮮やかに想像することができました。
 こういうの好きだぜ、もっと頂戴?(笑)
 今後も作者様の作品が一層多くの読者に愛される事を願って、ありがとうございました。

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