とても美味しい作品でした
10~20年ほど前の高校生の恋愛に対する論理感が僕にすごいハマって面白かったです。
最近の過度な性の描き方や
心が入っていないキャラクターに飽き飽きしている所に、この作品を見つけました。
元来、僕は恋愛小説は現実味が無くなるか
主人公と価値観が大きく外れることが多く
苦手でしたが
この作品は別でした。
適度な背景描写と丁寧な心情描写によって
まるでその恋を体験しているような
そういった感覚で気づいたら読了していました。
(他のレビューでは、佐伯が好きになった理由や主人公の影の理由が薄いと書かれていますが
僕としては、そういった些細な魅力によって惹かれていったり他人から見たら小さいかもしれない歯車のズレで何かが壊れていった経験があったものですから
寧ろその小さいかもしれない理由が現実味があり
僕は好きでした。)
初めは甘々な珈琲が好きだったけれど背伸びして
苦い珈琲を飲んでいく内にその味を好きになっていく、苦くて微笑ましい過去を思い出すようなそんな作品です。
異世界物や資本的な社会、世間に疲れている方は1度読んでここで休んでみては如何でしょうか。
人生で出会えて良かったと思える作品の1つです。
是非味わってください。
最後に、拙い文章をここまで読んでいただきありがとうございました。