婚約破棄してからが本番です 木崎
「お前の顔など、もう見たくもない! 今この場で婚約を破棄させてもらおうか!」
王侯貴族の子息息女が通う学園でそう宣言したのは、第二王子であるレオンだった。そしてその言葉を受けるのは、レオンの婚約者である公爵令嬢アルミラ。
邪魔な髪と言われれば髪を切り、ドレスが似合わないと言われれば着るのをやめ、粛々と命令に従い続けていたアルミラは、この命令にもまた粛々と頷いた。
そして婚約者の最後の命令を聞き届けるため、婚約破棄に乗り出した。
目次
完結済 全87話
更新
- 一章
- 「今この場で婚約を破棄させてもらおう!」
- 「最後の願いだから、叶えてあげないとね」
- (違う! そうじゃない!)
- 「それは建前だよね」
- 「さすがにやりすぎだよ」
- 「修道女はやだなぁ」
- 「はい、おっしゃいました」
- 「さて、逃げようか」
- 「レオン様! 怖かった……!」
- 「はい、あーん」
- 「もう食べさせてはくれないのかな?」
- (この男にも人の心が残っていたとはな)
- (すごい。王子様だ!)
- 「似合うか?」
- 「また奇抜な格好を」
- 「デートのお誘いとでも思っていただければ」
- (あの馬鹿もたまには役に立つな)
- 「仮面を被っているような女は嫌ですか?」
- 「……そうか、君は立派だね」
- 「誰がそんなことを言った」
- 「私はもうレオン殿下の婚約者ではないよ」
- (あのときは死ぬかと思ったなぁ)
- 「不満があるのならはっきり言ったほうがいい」
- (職務放棄……!)
- 「自らが裸の王であることをお認めになりますか?」
- 「君は正妃になりたい?」
- 「俺がいかに本気か、これでわかっただろう」
- 「必要なことだったのですよ」
- 「私は彼女の息子を王にしたくないのよ」
- (乙女か!)
- 「……なにかしてしまったのだろうか」
- (下手に動くと落ちるかもしれない)
- (二人……二人で雑談、だと……)
- 「今度は罪人という首輪で繋ぐ気なのでしょうね」
- 「あなたは王になるのよ」
- 「俺はお前を気に入った」
- 「やあ、こんな夜遅くにご苦労」
- 「私がお力になれるのであれば」
- 「馬鹿な奴」
- 「嫁にいく気ないだろ」
- 「俺に対する状況説明からにしてくれ」
- (おい、嘘だろ。ありえないだろ)
- 「情けないところを見せてしまったね」
- 「私のためだよ」
- 前日談 コゼット
- 前日談 ミハイル
- 前日談 レオン
- 前日談 アルミラ
- 前日談 レイシア
- 二章
- (頼むから大人しくしていてくれ)
- 「裁縫は特技の一つなんだ」
- (あれは……不運な事故だった)
- (なにその俺に対する罰ゲーム)
- (あの女と同類か)
- (現状を憂うことができればの話だがな)
- (ここから離れたほうがいいな)
- (……いつもと雰囲気が違う)
- (おかしいだろう……どうしてそうなった)
- 「少し時間が稼げればそれでいいんだ」
- (昏倒させる時間もいるからなぁ)
- 「……俺は罪人ではありません」
- 「なんでこういう日に来るかねぇ」
- 「私の勝利ですね」
- (皆嫌い、嫌い嫌い嫌い)
- (望んだことなんてないわよ)
- (嫌い嫌い嫌い、大嫌い)
- 「俺は強いです。俺に敵う者はいません」
- (この場所のせいか?)
- (……結局自分ではなにも選べていない)
- (止められるのも当然だ……)
- 「人を壁に使わないでいただきたいのですが」
- 「私もあなたが嫌いです」
- (……色々あったなぁ)
- 「どこまで真実かわからない」
- 最終章
- (和やかでいいことだ)
- (……今頃尻に敷かれているだろうな)
- 「正気ですか」
- 「それでも、私は……」
- 「馬鹿ですかあなたは」
- (それは……癪だな)
- (そのああは、どういうああなんだ)
- (笑顔なんてろくでもないな)
- 「熱でもありますか?」
- 「壁から脱出できますよ」
- (このままでは追いつかれる)
- 「嘘をついて私にどんな得が?」
- おわり
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