夜闇の中、軒先にぶら下がるランプに照らし出された不思議なお店。
まるで魔女が居そうなそのお店は、『まれぼし菓子店』。
導かれるようにして出逢った『わたし』は、そのお店の虜になってしまうのです。
手嶌さんを始めとしたお店の人たちも、それぞれに個性があって、徐々に親しくなっていく楽しみがあります。
一緒に訪れた人の意外な一面を見ることで距離が近付いたり、嫌なことがあってささくれ立った気持ちを静められたりといったストーリーもあり、良いスパイスになっています。
ほっこり幸せな気持ちにさせられますよ。
時折、お店に訪れる不思議なお客を垣間見るのも、このお店ならではですね。
何より、登場する菓子の数々が丁寧に描写されており、目の前に見えるよう!
そのまま食べられないのが残念でなりません。
お菓子は洋ものから和ものまで幅広く、一緒にいただくお茶もそれに合わせたものであるのが嬉しいところ。お店の穏やかな居心地良い雰囲気の中、美味しいお菓子とお茶をいただく時間はまさに至福と言えるでしょう。
『わたし』は本当に美味しそうに食べるので、食べた気分にもなれますよ!
お菓子には素敵な言の葉が付けられており、それが故に『まれぼし菓子店』のお菓子は特別。その魔法はそれぞれのお菓子をキラキラと輝かせてくれます。
一話一話、美味しいお菓子とお茶をゆっくりと味わうように楽しめるお話です。
会社の飲み会帰りでひどく疲れたある夜、〝わたし〟は商店街のなかに和洋菓子店を見つける。その名も『まれぼし菓子店』。
そこは日常と非日常のあいだで美味しいお菓子を食べられる、素敵でふしぎなお店なのです——
私自身、いつも仕事帰りの電車のなかで一話ずつ読ませていただいておりますが、身体を満たしていたずっしり重たいあれこれが読みおえたときにはすっかり幸せにかわっています。
文字を読むだけで頬をいっぱいにする美味しいお菓子ももちろん魅力的ですが、お店の人たち、お客さん、〝わたし〟といった、その夜のまれぼし菓子店を作る人たちのすべてがあたたかくて、読みおえたあとはちょうど〝わたし〟が手嶌さんからおみやげをもらってしまったときのような心地になります。
手嶌さん、好きです……現実にいたらぜったい好きになっちゃうよこんな素敵なひと!
あなたもぜひ、まれぼし菓子店で素敵な一夜を。
きっとまた訪れたくなること間違いなしです!
和洋の絶品お菓子を提供するまれぼしお菓子店。ひとくち口に運べば虜になること間違いなし。味が絶品なのはもちろんですが、このお店の魅力はそれだけには留まらず……
疲れた心にソッと寄り添ってくれるような。弱った心を励まし、優しく背中を押してくれるような。
楽しいときは一緒に喜んで、悲しいときは一緒に泣いてくれる。そんな素敵なお店です。
登場するキャラクターたちも魅力的な方たちばかり。優しいのにちょっぴり不気味で、だけど不思議と怖くない。
お菓子の描写がとにかく美味しそうでお上手で美味しそう(大切なことなので二回言いました)空腹時にはご注意ください。絶対に何か食べたくなります。
きっとあなたもこのお店の常連になること間違いなしです!おすすめですよ。
私が作者様の作品を初めて読んだのは、この物語ではなく、エッセイからでした。
まず思ったのが、綺麗…でした。あまりの文章の美しさに感嘆の溜息が溢れ、透き通るような透明感溢れる文章に、読み進めていく程に心がすっと癒やされていくのを感じました。
エッセイを全て読み終え、こんな綺麗な文章を書かれる方はどんな物語を紡がれるのだろうと、好奇心の赴くままにこちらのまれぼし菓子店を読ませて頂いたところ、そこにはエッセイと同様に美しい文章はそのままに心温まるお話が散りばめられていたのです。不思議なお菓子店という設定はありながらも、一見ありふれたような日常を瞬間瞬間でこんなにも鮮明に文章で表現することが出来る作者様の麗筆に脱帽致しました。
一話、一話に、心温まるお話があり、自分の普段の日常にそっとこの物語を添えたくなるような、そんな素敵な物語です。
無神経な上司から心ない言葉をかけられて、ひどく凹んだ深夜23時。
煤けた気持ちを引きずりながらの帰途、彼女はそのお店――「まれぼし菓子店」と出会ったのでした。
主人公はおひとり女子で、会社では下っ端社員。ちょっと不器用で気にしいなところもある、ごく普通の女性です。
そんな「わたし」が「まれぼし菓子店」へ通い詰め、美味しいお菓子をいただいて元気をチャージする。各話完結型の読みやすいお話となっております。
まれぼしの店員さんは三人で、それぞれに得意分野がちょっと違いますが、皆とても根が優しいです。いつも主人公にぴったりの品をチョイスしてくれますし、お菓子の名前がとても素敵。
食べっぷりが気持ちよく食レポがお上手な主人公と、時々訪れるちょっと不思議なお客さん。お菓子を通じて広がり満たされてゆく心の交流が、読み手の心も満たしてくれます。
隙間時間に少しずつでも、空いた時間にガッツリでも。
まるでおやつのように楽しめる癒しの連作短編、ぜひご一読ください。
静かな夜にお茶を用意して読みたいですね。お勧めはほうじ茶です。どんな菓子にも合う懐の深さがあると思うので。まれぼし菓子店は和菓子も洋菓子も何でもござい、ですから。
主人公は、仕事が終わったお祝いに、あるいは週末のふと空いた時間に、まれぼし菓子店を訪れます。この導入部が良いですね。緊張がほぐれ、食べる幸せに浸るまでのひとときを追体験できるので。読んでいて心地よいです。
印象深いのはクリームあんみつの回。黒蜜をたっぷりかける派の主人公の楽しそうな様子ったら。「かけ過ぎだとか、他の味が台無しだとか、いわせない。この器の中身全部はわたしのものだから。わたしの自由!」
夜のスイーツに変わるご褒美小説を、いちにちの終わりに、ぜひ。
ダイエット中の私ですが、すっかりハマってしまいまして。でも、文章は0カロリーなので(笑)美味しくいただいています(楽しく読んでいます)
主人公がたまたま出会ったお店は、不思議で優しい菓子店。
美味しいお菓子もそうですが、人々の触れ合いがあったかい。ホッとできるお店。
でも、やっぱりお菓子! お菓子お菓子お菓子!(ダイエット中にて頭おかしくなっております)素敵なネーミングに納得でき、作者様のきれいで優しい描写がリアルに想像できて、涎が出ます。でも、0カロリー、最高です! お菓子食べたくなりますが、いつも我慢しています。
優しくあったかい不思議なお店に、ぜひ皆さんもお越しください!