ほっこり甘くてハートフル。ほの不思議なお店にて、癒しの一品めしあがれ♪

 無神経な上司から心ない言葉をかけられて、ひどく凹んだ深夜23時。
 煤けた気持ちを引きずりながらの帰途、彼女はそのお店――「まれぼし菓子店」と出会ったのでした。

 主人公はおひとり女子で、会社では下っ端社員。ちょっと不器用で気にしいなところもある、ごく普通の女性です。
 そんな「わたし」が「まれぼし菓子店」へ通い詰め、美味しいお菓子をいただいて元気をチャージする。各話完結型の読みやすいお話となっております。

 まれぼしの店員さんは三人で、それぞれに得意分野がちょっと違いますが、皆とても根が優しいです。いつも主人公にぴったりの品をチョイスしてくれますし、お菓子の名前がとても素敵。
 食べっぷりが気持ちよく食レポがお上手な主人公と、時々訪れるちょっと不思議なお客さん。お菓子を通じて広がり満たされてゆく心の交流が、読み手の心も満たしてくれます。

 隙間時間に少しずつでも、空いた時間にガッツリでも。
 まるでおやつのように楽しめる癒しの連作短編、ぜひご一読ください。

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