空白な日常、その遙か彼方へ

スクールカーストの最底辺にいて、いつまでも果てしなく続く不変で退屈な「終わらない日常」にうんざりとしながら生きていた主人公の“僕”は、ふとしたキッカケで高校2年の冬に他校の女子高生･美咲と知り合った。
彼女は僕と異なった生きづらさを抱えていたが、僕たちはお互いに共通点を見つけて惹かれ合い、そして「他では決して代替不可能な運命の存在」と認識するようになる。しかし、その先には切ないまでの喪失が待ち受けていた。



平成が終わり、新たな時代･令和になっても何一つ変わらない退屈な日々。就職活動で疲弊する年上の兄貴の姿を見て“青春は永遠に続かない、いつか終わる”と突き付けられる残酷な現実。平成から令和への10連休最終日に再会した彼女と僕、海辺の駅で過ごす二人きりの時間。再び味わう果てしない喪失感。そ…続きを読む