概要
「あなたは、どんな大人になりたいですか?」かつての恩師の言葉
教師として、生徒たちを抱えながら幸せを祈っていた人間の言葉が詰まった手紙。
その一文は、子どもに向けた応援の言葉でもあり、大人が吐き出せずにいた告解の言葉でもあった。
ただ確かなのは、「大人はいつも祈っている」ということ。
少なくとも、先生は祈ってくれていた。
私は、その手紙を大人になってから読み返す。
その一文は、子どもに向けた応援の言葉でもあり、大人が吐き出せずにいた告解の言葉でもあった。
ただ確かなのは、「大人はいつも祈っている」ということ。
少なくとも、先生は祈ってくれていた。
私は、その手紙を大人になってから読み返す。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!先を生きた者から、あとに続く者への願い
先を生きた者が、あとに続く者の幸せを願う姿を、対話でなく手紙をとおして描いた物語です。ともすれば感情がぶつかり合う対話でなく、ひとり静かに、文面と行間を読むことのできる「手紙」という手法を用いたのは、実に効果的に感じました。
本文の描写もさることながら、全三編の構成にも、目を見張るものがあります。導入部は前置きに徹していて、続く「手紙」へ、すっといざなってくれます。核となる「手紙」は、劇中での読み手の感情が差し挟まれず、あたかも現実に生きる自分が手紙を読んでいるかのような、そんな感覚がわきました。結びで語られる主人公の理解は共感しやすく、心地の良い読後感が残ります。
手紙を閉じたとき、今の自…続きを読む