水色、つまり世界。

水色が満ちて、広がる。
なにも色だけではない。この物語は水色に多重の意味を与えている。

丁寧に塗り重ねられた水色を解題するのは無粋だろう。怪しげにして軽妙な男の声が水色を語るたびに、彼女のなかで水色の意義が広がる。
あなたはただ読めばいい。先入観はいらない。あなたのなかの水色が揺り動かされるのに、ただ身をゆだねればいい。

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