概要
東の空にかぎろひの立つ見えて、 かえりみ すれば月かたぶきぬ
定年を迎えた私は、妻と近所の淀川を歩き始めた。
そこで出会った淀川のヌシ、北村さんに興味深い話を聞いた。
十二月の十七日頃の早朝、淀川から見て奈良の方向 ― 東の空― が真っ赤に燃えるのだそうだ。
それを『かぎろひ』と呼ぶことを。
そこで出会った淀川のヌシ、北村さんに興味深い話を聞いた。
十二月の十七日頃の早朝、淀川から見て奈良の方向 ― 東の空― が真っ赤に燃えるのだそうだ。
それを『かぎろひ』と呼ぶことを。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!定年退職を機に知った、母なる川、淀川の顔
この話を読んだとき、社会人経験も浅い僕は、定年退職した人生の先輩である宗像さんに、一つの物事の見え方をご教示頂いた気がした(人生観と言いたいが、少し大げさかもしれないと思ったので、こちらにした)。
作中で、宗像さんの世代は仕事が人生ということが書かれていた。僕たちの世代は、ワークライフバランスという言葉があるように、会社に人生を捧げるのは何か違うという空気の中で育った。そのため僕たちの仕事とプライベートの間には、きっちり線が引かれ、仕事終わりや休日は仕事仲間と何をするでもなく、ただ、自分の趣味に没頭し、自分の世界を楽しんでいる。
宗像さんが定年退職をし、奥様から淀川の散歩を提案される…続きを読む