隕石、発見!?
――X月X日 隕石 ○○市――
――X月X日 事件 赤ちゃん――
ウェブで検索された無数の情報のうち、気になるページを詳しく眺める。
「そっか、やっぱりあの夜、近くで隕石が落ちたんだ。? この夜、○○市で行方不明者が出てるんだ……しかも、男の赤ちゃんだ」
「もしも、SF的なことが奇跡的に起こったと過程して、それが隕石の衝突によるものだとすると、この世界と私がいた世界が何らかの現象で接触したとか……だめだあ、知識ないし想像力もないもん」
もしかすると、この世界で行方不明になった赤ちゃんと、一平くんが入れ替わってしまったとかっていう展開は、科学的に言って、アリなんだろうか?? うーーん、ナシかな……。
私は少し寝てから、その日のうちに隕石が落ちたあの歩道に行ってみようと決めた。
〜〜〜〜〜〜〜〜
ベッショリとかいた汗をタオルで拭き、下着も全部取り替える。
それからラフな服を着込んで、私はリビングにいるママに声を掛けに行った。
「ママ」
「美波、体調はどう?」
「うん、寝て汗をかいたら大分いいみたい。熱は今はなかったよ」
「そっか、よかったね。いっくんも元気よ」
ママに抱っこされた一平くんが私を見つけてキャッキャッと声を上げている。可愛いなあ。
私は一平くんのほっぺをぷにぷに触りながらママと会話を続ける。
「ママ、ちょっとだけ外に出てきていいかな?」
「え、だめよお、今日は家の中でじっとしていなさい」
「そこをなんとか!ちょっとだけ気分転換っていうか、外の空気を吸いたくて、ね」
「も〜、ちょっとだけよ」
「うん、すぐ戻るから」
河原の見える歩道は家を出てすぐだ。
私は、昼下がりの平和な道をゆっくりと歩いた。思えばこっちの世界に来てから私はバタバタしっぱなしで、こんなにゆったりした気持ちで散歩するなんていつぶりだろう。
河川敷を散歩する犬とおじさんがなんとも牧歌的で、絵に描きたいもんだと思った。
(確か、この辺りだったと思うんだけど……ん?? これは。)
私は足元の不自然に荒らされたような草むらの中から、隕石の破片のようなものを見つけた。その欠片の周りの草は焼け焦げたように黒ずんでおり明らかに不自然だ。
(これ、持ち帰ってみようかな)
その一欠片を手に取り、私は家へ引き返した。引き返しながら石をマジマジと眺める。その石は黒くて所々が光沢のある表面をしている。ゴツゴツしていて歪――。
そして、この日の夜、私は不思議な流れ星の夢を見た。
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