あらすじを読んでワクワクしました。スタート時点で誰かがいないのですね

 「過去に登場する」は「セリフと後ろ姿ならギリギリセーフ?」と「読む側がイメージするときにフィルターをかければいいだけのこと」で意見が分かれましたが、「グレーゾーンとして受け入れましょう」とあらかじめ決めていました。
 河垂さんの印象的なシーンは「スカートから覗く……」ですね。夕暮れの誰もいない教室で美少女が窓の枠に腰かけてグラウンドを見下ろしている。絵になるシーンで主人公は真っ先に河垂さんの脚に着目します。なるほど顔より脚なのか。それに恐れていた猟奇シーンもないので、ジャッジは「断然セーフ」です。
 
 『僕だけのあの子』はライトノベル調で書いています。加えて河垂さんがいなくなってから物語が始まるところも読みやすい一因です。「ご本人登場…しない怖い話」の企画に参加した他の二作にも当てはまるのですが「何かが近づいている恐怖」はありません。
 「てっきり、あの子は一体なんだったんだエンドかと思ったのに、4話の『…………いや、ちょっと待て。これっておかしいんじゃないか?』と急変するところから目が離せませんでした。あのラストは予想だにしませんでした。河垂さん、どこに行ったのでしょう」
 満場一致(?)で「怖い」がハッキリとしていて楽しめた作品です。