美しく巧みな表現に酔う、さわやかでほのかな汎性恋愛譚!

冒頭の数行を読んで、「おや?」と思い、「下」で読み方がわからないというくだりで完全に思い出しました。ほぼ主人公と同じことを言っていた女の子がいました。
感性って才能ある遺伝子だけに感染するものなのかもしれませんね。その子も枠にはまらない創作系(ただしゲーム)の人でした。
主人公が気になった相手の世界を初めてのぞき込んで、そのまま吸い込まれて溺れていったお話でとても新鮮でみずみずしかったです。

ただ、私はちょっとだけ途中から妄想が脱線していました。これってどんな組み合わせでもできるなって思ってしまったんです。男+男、男+女、女+男、女+女。そういう中編を書いたことがあって、性別にはっきりさせずにどこまで恋愛譚は成立するんだろう? と実験しました。これは汎性恋愛譚としても、すごく素敵だと思います。

巧みな表現に酔う、さわやかでほのかな汎性恋愛譚。ありがとうございました。

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