操作される夢、そこに描かれた光とは

黒森映は悪夢を見る。自分が喰われていく夢だ。
次第に睡眠をとらなくなった彼女を恋人である幸は病院へ連れていくが……。

物語は個人の人格と精神の問題としてはじまるが、実は他の人間も同じ悪夢を見ていたのだとわかる。
そこから謎が一気に人為的なものへと繋がっていき、最後はひとりの人間へとたどり着く。

端々に散りばめられた要素と驚きの展開、思わずページをめくってしまい止まらなくなりました。
絡んだ糸がキャラが動くたびに少しずつほぐれていく、特上のミステリーと言えます。

ありきたりのハッピーエンドに終わらず、読者にさらに問題を突きつけていく……力強く地に足がついたメッセージ性の強い作品です。

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