社会に潜む心の闇とそれらが生み出した障壁とは?

睡眠中の悪夢を皮切りに事件は始まります。

最初は不遇な美大生の苦悩の日常について描かれますが、それが恐ろしい『悪夢病』に昇華し、精神科病棟に入院するまでになる。

恋人の描いた絵によって病状は回復するが……!?

全体としてややおどろおどろしい雰囲気が取り巻きながら、人の精神の闇に切り込み、後半はさらに恐ろしい展開が待ち受け、終盤は衝撃の真相を突き付けます。

エピローグはぐさりと突き刺さるような、作者様からの強いメッセージを感じ、同時に読者に問題提起されます。
社会派ミステリーとカテゴライズされるでしょうが、扱っているテーマは斬新かつ緻密。
ネタバレになるので詳細はお読み頂きたいのですが、何かを考えさせられるような非常に力強い作品です。

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