概要
ゲーマー過ぎて、社会不適合者ギリギリ。現在は深夜ピザを運んでいた。
そんな暁月優利にも、チャンスが訪れる。
ほれ込んでいるVGO――ヴァーチュアス・ゴドレス・オンライン―― なるゲームの運営会社、キャッスルフロンティアKKの最終面接。しかし、この夜、眠れずにゲームに勤しんだ優利はVGOでとある少女に決闘を申し込まれ、窮地に追い詰められる。
無事にVR世界のシーサイト業務として、入社を果たした暁月優利だが、次々と難題が押し寄せる中、たくさんの仲間と出会い、
現実での父親との齟齬をも埋めて行こうとするが、そこには目を逸らせない脳死の問題が浮かび上がるのだった。
国家機密を抱える作家、建築家CADと、現実の「ゴドレス
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!物語に触れるという、奇妙かつ斬新な経験ができました。
大方のストーリーや魅力については、ほぼ他の方のレビューで書かれてますので、そちらを参考にしてみてください。その上で、私はこちらの作品の最大の魅力ともいえる部分の紹介に、あえて挑戦したいと思います。
こちらの作品、読むと奇妙な感覚に陥ります。それは何かというと、物語の世界に触れるという感覚です。
ありきたりなことかよと思った方は、ぜひ最初のVRの世界を読んでみてください。読めばわかるかと思います。本当に『触れる』という感覚を味わうことができます。
なぜそうなるのか? おそらくですが、切れ味のある文章で巧みに感覚に関する描写を、これでもかと上手い具合に積み上げているからだと思います。ストー…続きを読む - ★★★ Excellent!!!人間の「実感」とは、どこに宿るのか?
ゲーマーの主人公は、ピザの配達の仕事をしながらも、ゲームに夢中だった。それは仕事中にでもゲームのことを考えてしまうほどの、ゲーム中毒だった。そんな主人公にも、彼女がいた。うどん屋の娘で、主人公と同じくゲーマーだ。ただし彼女がやっていたのは、猫を集めるというかわいらしいゲームだった。一方主人公がやり混んでいたゲームは塔がそびえる世界での戦闘系のVRゲームだった。実は彼女がやっていたゲームも、主人公がやっていたゲームも、キャッスルフロンティアKK社が運営元だった。
主人公はその会社に新入社員として入社する。主人公はこの会社の上司に、5万人に1人という「感覚超越者=ヴァーチュアス・ゴドレス」で…続きを読む - ★★★ Excellent!!!五感が揺さぶられるような体験を
ゲーマーの主人公が、自分がはまっているゲームの運営会社の面接に挑む。その会社で見たものは――。
キレのあるスタイリッシュな文章とテンポの良い展開で、するっと物語世界に入り込んでしまう。そしてそこにあるのは単なる「ゲーム世界の描写」を超えた、五感がまるごと物語の中に没入するような感覚です。
今、この場でその世界を見て、触れているような。
印象的な序盤もあり、気がついたらどんどん読み進めていました。
また、主人公の優利が現実の世界で、仕事や彼女のことで、どうにもならないもどかしさに悩む姿がきめ細やかに描かれており、つい後ろから応援したくなります。
他の登場人物たちも性格に深みがあり…続きを読む - ★★★ Excellent!!!キミはヒーローになれる! VRMMOの『VGO』より!
ゲームを主体とした、SF作品で、キャラクターの活躍が見どころだ。
主人公、暁月優利(あかつき・ひろき)くんは、もう二十歳だと言うのに、ゲーオタとまで呼ばれる。
しっかりとした仕事にもつかずに、ゲームをしていたい位だ。
『ヴァーチュアス・ゴドレス・オンライン』、略して『VGO』と呼ばれるゲームにはまっている。
それは、流行りのVRMMOの形をとっていながら、食欲、排泄欲、その他太陽まであり、現実の世界との境目は髪の毛一本程あるか否かだ。
中でも注目したいのが、脳に関するゲームとの関わりだ。
又、バグの多い描写のところは、緊迫した作中を和ませてくれる。
そして、忘れてはならないのが…続きを読む - ★★★ Excellent!!!パラリアルワールドは仮想世界? それとも現実世界?
バーチャルリアリティを突き詰めたSF作品、と書くと、敷居が高そうに見えるかもしれませんが、そんなことはありません。
まさにゲーム世界に飛び込んだ感覚を味わうことのできる作品です。
主人公の優利のゲーマーっぷり、ダメ人間ともいえる依存度ではありますが、どこか意味潔さを感じました。
おそらく、誰もがやろうとしてなかなかできない、自分に正直なキャラだからだと思います。
だからといって、ゲーム最優先がいいと思っているわけではなく、ヒロイン・胡桃も大事にしたいと、葛藤している部分もあるところが、人間らしいですね。
まだ物語序盤のため、主人公のことを述べさせていただきましたが、パラリアルワールドの奥…続きを読む