物語に触れるという、奇妙かつ斬新な経験ができました。

大方のストーリーや魅力については、ほぼ他の方のレビューで書かれてますので、そちらを参考にしてみてください。その上で、私はこちらの作品の最大の魅力ともいえる部分の紹介に、あえて挑戦したいと思います。

こちらの作品、読むと奇妙な感覚に陥ります。それは何かというと、物語の世界に触れるという感覚です。

ありきたりなことかよと思った方は、ぜひ最初のVRの世界を読んでみてください。読めばわかるかと思います。本当に『触れる』という感覚を味わうことができます。

なぜそうなるのか? おそらくですが、切れ味のある文章で巧みに感覚に関する描写を、これでもかと上手い具合に積み上げているからだと思います。ストーリーを目で追いかけながらも、脳はVRの描写によって作られた世界に浸っていく。その結果、あたかもそこにいるかのような感覚に陥るのではないかと思いました。

そうした感覚の部分を刺激された後に、一気にVRとは何かについての描写が広がっていくのですが、この内容が広がっていく様も、他にはなかなか見受けられない試行が施されており、読みごたえも十分でした。

これは、思いつきや勢いだけでは書けないと思います。十分に設定を構築したからこそ、出来上がった作品だと思います。

今は一部が終了したところですが、これからどうなっていくのか楽しみです。そうした楽しみも、ある意味ゲームを楽しむ感覚に近いのかもしれません。

ぜひ皆さまも、VRの魅力と可能性に触れてみてください!!

最後に、VGOの意味がわかった時、相変わらず作者さまは攻めてるなと思いました!!

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