鬼姫と異形の青年は、血の盟約を結ぶ。

 主人公は赤い髪と澄んだ目を持つ異形の青年。青年はある日、驟雨に見舞われ、隠家のような古い日本家屋に逃げ込む。そこで待っていたのは、幼い屋敷の主である幼女と、それに従う美女たち。しかし、そこに突如化け物が襲来し、美女たちは紙屑となり、幼女は赤い着物を翻し、主人公と協力して化け物を倒す。
 主人公は幼女を一人暮らしの部屋に連れ帰り、化け物の正体をきく。あの化け物は、人間が常日頃崇めている仏の真の姿だった。総称して、仏魔と呼ぶ。かつて鬼姫たちと倭の国の人間は、手を取り合って暮らしていた。しかし、他国から伝来した仏魔によって、鬼姫たちと人間たちの関係は一変していた。鬼姫は仏魔を倒して、再び倭の国で人間たちと平和に暮らしたいと願っていた。
 幼い頃に残酷な形で両親を亡くしていた主人公は、鬼姫に協力すると約束する。しかし主人公には人間としての生活があった。主人公は夜間学校に通いながら、アルバイトをしていた。だが、主人公が街を歩いていた時、見ず知らずの人間たちが、主人公に襲い掛かって来て、主人公は刺されてしまう。そこに助けに入ったのは、主人公の同級生のだった。この同級生には、裏の顔が存在していたのだ。そして鬼姫も駆けつけて仏魔を倒して、帰路に就く。そんな中、鬼姫は仏魔との戦いで武器である鉄扇を壊され、「京都には行くな」と諭される。
 しかし、主人公の修学旅行先が京都に決まり⁈
 さて、貧乏学生の主人公は鬼姫の路銀を工面できるのか?
 同級生の裏の顔とは?
 主人公と鬼姫の今後から目が離せない!

 仏魔の姿がおどろおどろしく、その正体が仏と読んだ時には、とても驚きました。仏魔との戦闘シーンは迫力があり、是非ご覧いただきたいです。構成力も文章力も高く、それに負けないオリジナリティがあり、読みごたえがあるのに、すんなり頭の中に入ってきます。

 物語はまだ続くようですので、今後も期待したい作品です。
 
 是非、御一読下さい!

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