天下を叩け

 風蕭蕭として易水寒し。壮士一たび去さりて復た還らず。

(風はもの寂しく吹いて易水の水は寒々と流れている。壮士がひとたび去ると二度とは帰らない)

 春秋・戦国時代末、かの始皇帝を暗殺するべく旅立つ荊軻(けいか)を語る場面である。

 勇者の母親はどのような気持ちで息子を送ったのだろう。また勇者は、折に触れ母親の姿を思い起こしたのだろうか。
 生涯の全てを『それ』に捧げた勇者のいくさ、ゆめゆめ見過ごすまい。
 必読本作。

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