とんでもない人たちだけど、ろくでもない人はいない!

 最初から全力で笑わそうとしてくるコメディです。

 主人公は元ヤンキーのシスターという破天荒な設定で、懺悔室に来る人たちも一癖二癖あり、一言でいうならば「とんでもない人たち」としかいいようがありませんが、だからこそ笑いが漏れてしまいます。

 簡潔な文体であるからこそ、場面が容易に想像でき、それ故に感じられるのは、皆、ちゃんとしているという点でした。

 懺悔室にやってくるのは、ギャンブルやストーカー、虐待など、ろくでもない人ばかりなのですが、そんな人たちに対し、「どうでもいい」という対応をしない、真面目に応じているからこそ出てくる笑いがあります。

 相談内容はろくでもないのですが、それを現実味のないロクデナシと描いていないからこそ、私はひとこと紹介の文が浮かびました。

 破天荒な設定、展開ながら、登場人物たちに「コメディなんだから」というような妥協を許していない文章が秀逸です。

 そして、ふと見ると、タグには「聖女」が…。

 成る程、確かに聖女と入れる事で、より一層、コメディ調が上がります。

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