とんでもない人たちだけど、ろくでもない人はいない!
- ★★ Very Good!!
最初から全力で笑わそうとしてくるコメディです。
主人公は元ヤンキーのシスターという破天荒な設定で、懺悔室に来る人たちも一癖二癖あり、一言でいうならば「とんでもない人たち」としかいいようがありませんが、だからこそ笑いが漏れてしまいます。
簡潔な文体であるからこそ、場面が容易に想像でき、それ故に感じられるのは、皆、ちゃんとしているという点でした。
懺悔室にやってくるのは、ギャンブルやストーカー、虐待など、ろくでもない人ばかりなのですが、そんな人たちに対し、「どうでもいい」という対応をしない、真面目に応じているからこそ出てくる笑いがあります。
相談内容はろくでもないのですが、それを現実味のないロクデナシと描いていないからこそ、私はひとこと紹介の文が浮かびました。
破天荒な設定、展開ながら、登場人物たちに「コメディなんだから」というような妥協を許していない文章が秀逸です。
そして、ふと見ると、タグには「聖女」が…。
成る程、確かに聖女と入れる事で、より一層、コメディ調が上がります。