数多の思惑が交錯する中で、元王女は復讐を遂げられるか。

 元王女シャスティエの復讐心すら、物語を語る上のほんの一部に過ぎない。それほどまでに壮大で重厚な物語であり、物語とは言いますが、戦記や歴史書を読んでいるかのような確立されたものを感じます。一人一人に焦点を当てた一話ごとのシナリオも、それぞれの思惑や考えを感じ取れてもちろん読みごたえがありますし、それだけではなく、もっと視野を広げて「国家」という単位で考えたときに、このお話の真の姿を見ることができる。そんな複雑かつ緻密、末恐ろしいほどの完成度を誇る物語ではないかと思います。

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