概要
憧れの騎士になるため、男爵家の娘ラーソルバールは王都にある騎士学校を受験する。
模擬戦闘試験で受験生が皆、現役騎士達に軽くあしらわれる中、幼い頃から独学で剣を振ってきた彼女は騎士団長の一人と互角に戦い、周囲を驚かせた。
魔法が不得手でありながらも、なんとか試験に合格し騎士学校に通い始める。
そして運命の悪戯か、幼年学校時代からラーソルバールを宿敵として追いかけ続ける公爵令嬢エラゼルと再会。
学校の内外で色々な事件や国家単位の陰謀に巻き込まれながらラーソルバールは成長していく。
対立しつつ背を預ける、そんなエラゼルとの関係は……。
望まぬ戦いや、抗えない出来事に苦悩しながら、それでも少女は未来のために「騎士」になるため歩みを止めない。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!少女か騎士か、ひとりの娘を全方向から見る丁寧な物語
騎士を志す娘、ラーソルバールを多面的に捉えた大作。
本作の主人公であるラーソルバールは、騎士を目指す娘。
確かな剣の腕と、ひたむきな努力、そして友好的な仲間たちの協力によって着々と成果を上げ、その名を上げていく過程が丁寧に描かれています。
ラーソルバールは非常に抜きん出た実力を持っており、騎士学校入学直後から多くの活躍を見せ、各界の有力者たちからの注目も熱い有名人となってゆきます。しかし、当人は注目を集めるつもりは全くなく、むしろ恐縮してばかりの場面がとても多いです。
どんどん大きくなる評判と裏腹に、普通の少女としての一面も確かに見せるラーソルバール。こうして彼女を多方面から見…続きを読む - ★★★ Excellent!!!この剣は誰のために。騎士を目指す少女の成長と葛藤を描く、王道英雄譚。
独学ながらも剣の才能にあふれ、けれど魔法は不得意で、ちょっと天然なところもある、男爵令嬢・ラーソルバール。
彼女が騎士を目指し、王国立騎士学校を受験するところから物語は始まります。
非常に長い連載ではありますが、丁寧に堅実に積みあげられており、文章も安定していて読みやすいです。一人の主人公にスポットを当てた英雄譚として、じっくり楽しめる作品になっていると感じました。
主人公のラーソルバールは、強く、賢く、美人。ですが、内面は思慮深くて優しく、少女らしいふわっとしたところもある魅力的な女性です。そんな彼女の周りには、同年代の学友だけでなく、領地の民や貴族社会での交流相手など、様々な人…続きを読む - ★★★ Excellent!!!圧倒的な火力で焼き払う、とんでもない爽快感はありません!
異世界転生などのチート設定もなければ、ゲームモノのレベル設定もありません。したがって、敵を圧倒的な火力で焼き払うなどの、とんでもない爽快感は、私が読んだ範囲では全くありません。
しかし、ラーソルバールが騎士を目標とし、そして、成長していく過程が丁寧に描かれています。目を見張るのは、その剣技! その丁寧な描写のおかげで、まるでアニメを観ているかのような臨場感があります。
言うなれば、ロードスなどのような王道ファンタジー。ゆっくりとした時間の中で人と人の心が交わり話を美しく織り成していきます。
さて、話はどんどんと、ラーソルバールを巻き込んで激しくなっていきそうです。さて、続きを読もうかな。