騎士を志す娘、ラーソルバールを多面的に捉えた大作。
本作の主人公であるラーソルバールは、騎士を目指す娘。
確かな剣の腕と、ひたむきな努力、そして友好的な仲間たちの協力によって着々と成果を上げ、その名を上げていく過程が丁寧に描かれています。
ラーソルバールは非常に抜きん出た実力を持っており、騎士学校入学直後から多くの活躍を見せ、各界の有力者たちからの注目も熱い有名人となってゆきます。しかし、当人は注目を集めるつもりは全くなく、むしろ恐縮してばかりの場面がとても多いです。
どんどん大きくなる評判と裏腹に、普通の少女としての一面も確かに見せるラーソルバール。こうして彼女を多方面から見ることができるのは、一部の登場人物と、読者だけの特権と言えるでしょう。
一人の少女を中心として、じっくりと描かれる変化は一見の価値ありです。
独学ながらも剣の才能にあふれ、けれど魔法は不得意で、ちょっと天然なところもある、男爵令嬢・ラーソルバール。
彼女が騎士を目指し、王国立騎士学校を受験するところから物語は始まります。
非常に長い連載ではありますが、丁寧に堅実に積みあげられており、文章も安定していて読みやすいです。一人の主人公にスポットを当てた英雄譚として、じっくり楽しめる作品になっていると感じました。
主人公のラーソルバールは、強く、賢く、美人。ですが、内面は思慮深くて優しく、少女らしいふわっとしたところもある魅力的な女性です。そんな彼女の周りには、同年代の学友だけでなく、領地の民や貴族社会での交流相手など、様々な人々が集まってきます。
誰からも愛され(時には激しいライバル心を向けられ)、敬われ、それでも彼女は自分の能力におごることなく、謙虚な心で人々と真摯に向き合っていくのです。騎士の鑑のような彼女が本当の英雄になる時には、どんな活躍を見せてくれるのだろう……と期待が膨らみます。
丁寧に構築された背景世界でうごめくのは、陰謀か難題か……。
昔ながらの王道ファンタジーが好きな方にも、格好いい女性騎士の活躍を楽しみたい方にも、この物語は刺さることでしょう。是非、ご一読ください。
異世界転生などのチート設定もなければ、ゲームモノのレベル設定もありません。したがって、敵を圧倒的な火力で焼き払うなどの、とんでもない爽快感は、私が読んだ範囲では全くありません。
しかし、ラーソルバールが騎士を目標とし、そして、成長していく過程が丁寧に描かれています。目を見張るのは、その剣技! その丁寧な描写のおかげで、まるでアニメを観ているかのような臨場感があります。
言うなれば、ロードスなどのような王道ファンタジー。ゆっくりとした時間の中で人と人の心が交わり話を美しく織り成していきます。
さて、話はどんどんと、ラーソルバールを巻き込んで激しくなっていきそうです。さて、続きを読もうかな。
騎士を夢見る少女が織りなす物語。
成長をしていく上での出来事が細かく描写で描かれていて、コメディ要素も含んでいるのですがシンプルに目を引く面白い作品だなって感じました!
まだ途中なのですが、日常シーンや魅力的なキャラクター。
何度読み返してもまた楽しめる。
作者様の熱量と好きがとても伝わります!!
ラーソルバールがやっぱり好きです!
運命をどんどん切り開いて頑張ってほしいし、なにより作者様にも本当に頑張ってほしいと、応援したくなるんですよね。
まだまだ序章ですし、もっと見たいと思わせる文章力は作者様の努力あってこその物だと思います!
ぜひ、騎士を目指す少女の剣が華麗に舞うその姿を一緒に見てみませんか?