近未来の風景と幼年期の憧憬を重ねて

中心地の巨大都市と街区という近未来を舞台装置に、それをつなぐ姉と鉄道線をめぐる子どもの冒険譚というレイヤーを重ね合わせて、
落ち着いた展開ですが不思議とノルタルジックな読後感を体験させて頂きました。

鉄道の支線先の先進的で巨大に見えた都市は、実は非実体経済のせいで……という結末、
待望の姉も、ずっと帰って来ないように思えて後で振り返れば……だったことも、
良くも悪くも大げさで針小棒大に感じやすい少年期ならではの感じ方のように感じました。

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