★★★ Excellent!!! それは淡々と迫り来る 五条燐堂 何が起きているのかは分かるけれど、何が起こっているのか分からない。そんな不条理が、まるで死と同じように。淡々と、着実に迫って来る。そうして、私たちの首筋に触れた。 なんて事のない日々だった筈です。いつもと同じように起きて、朝食を平らげ、代わり映えのない服で学校へ向かうような。それでも日常の綻びがどこかにあって、その隙間から、非日常がこちらをじっと見つめている。 重苦しい夏の、じっとりとした空気を、是非楽しんでいってください。 レビューいいね! 1 2022年7月14日 11:59
★★★ Excellent!!! 透明感ある文章 みやび 不思議な作風で読みやすく、尚且つ哲学的な要素を盛り込んでいる所が個人的によかったです。 情景描写も素晴らしかったです。 レビューいいね! 1 2020年5月5日 15:47
★★★ Excellent!!! 死は生の対極としてではなく、その一部として存在している。 國枝 藍 面白い、と思わされました。 少しも愉快な話ではないのに。 何処までが現実で、何処からが虚構なのか。 真実はひとつではありません。 正解も重要なことではありません。 「死は生の対極としてではなく、その一部として存在している」 村上春樹の「ノルウェイの森」の一節を思い出しました。 最後に信じられるのは、自分の五感を使って確かだと認めたものだけです。 体験して見てほしい。 この小説に込められた、現実と虚構、その両方を。 レビューいいね! 1 2020年4月28日 15:21
★★★ Excellent!!! 美しくてコメントしようがない きつねのなにか とんでもない力作です。ジャンルは文芸でしょうか。不思議が出なければ完全な純文学です。 とある学生の夏の一日を描いた作品です。以上。 そう、そうなんですよ、それ位やっていることは単純なんですよ。 でもそれを彩る風景描写、文章の選択、もう満点です。 情景描写は私みたいなレベルの人間でも見事に頭の中に思い浮かべることができ、圧巻の色彩を脳内に描かせてもらえます。 文章選択は本当に素晴らしく、比喩だってわかりやすいし、無駄な文章がないので本当にストレスなく読み進めることができます。(これ一番重要な部分だと個人的には思っています。) 本当に素晴らしい作品です。出会えてよかった。 レビューいいね! 1 2020年1月26日 21:10