待ち合わせ場所で心に刻み込まれていく作家への情熱—。

突然の災難で倒れて意識を失い、長い入院生活を余儀なくされた主人公、凪田真帆子。一進一退を繰り返す日々から抜け出すきっかけを与えてくれたのは大学時代の創作活動の相方だった泊愛久からの絵葉書だった。半年のリハビリを経て退院した真帆子は学校司書の仕事を失った代わりに得た自由な時間とともに昔、諦めた書くことへの情熱へと心を向けていく—。泊愛久との再会し、過去を回想しながら、作家デビューを目指す真帆子の意気込みと情熱がきめ細やかな生き生きとした文体で描かれた秀作です。

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