文豪の足跡を辿り、私は彼女へ行き着く。

 会社を辞めて、作家を目指す女性主人公の物語。大学時代に、文芸サークルにいた主人公は、そこで様々な体験をする。中でも、彼女との出会いは鮮烈だった。彼女は無駄を一切省いたような女性だったが、芯の強さや文章への情熱を持った人だった。そんな中、小説を書き始めた主人公と、女性は再会し、お互いにまだ「文章を書く人間である」という確認をする。この再開をエネルギーに、主人公はコンテストに向けて動き出す。すると出版社から新進気鋭の作家として、デビューさせたいという話が舞い込む。その出版社の熱血担当編集者と共に、主人公はプレコンテストに応募することになるのだが……。
 主人公が赴く場所には、文豪たちの足跡があり、また文学を楽しんでいた学生時代の純粋な過去があり、それを踏んで主人公が彼女へ近づいていく過程が印象的でした。また、「書き手」である方にとっては、とても他人事とは思えないわくわく感と、ドキドキ感が詰まっています。
 
 是非、御一読ください。

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