辰星に祈りを捧げる神宮 持ち込まれるのは解決困難なオカルト事案ばかり
この物語はあくまでコメディーです。
時代背景や社会通説など
その殆どが創作である事を御了承の上
お付き合い下さいましたら幸いです。
時は今からそう遠くないが近くも無い昔。
都からちょっと離れた辺鄙な集落にある領主直轄とは言え
ほぼ見捨てられ状態の神宮、暁星宮神社は有った。
そこには海の神、正確には水平線に上る明の明星である水星が祀られている。
新たな主として十二歳になったばかりの少年藤宮柊仁が送られて来た。
領主と帝の名代として世の安寧を祈る役目は
元々女子の仕事だと言うのに、彼は歴とした男子である。
彼を選んだのはどうもこの宮の神らしいのだが真意は定かではない。
「食べるには困らないって言ってたよね。話しが全然違うじゃない。」
「いえいえ、働かざるモノ、食うべからずですよ、若君。」
そんなこんなで彼の元に解決困難なオカルト的案件が
舞い込む日々が始まった。