絵と恋と。少女は困難にぶつかりながらも、少しずつ向き合っていく。

主人公の瑠璃は、不登校になっているADHDという特徴を持つ少女。
居場所を求める彼女は、図書館で色鉛筆を落としたことをきっかけに一人の男性に出会い、絵の世界を知ることになります――

瑠璃は自分には居場所がないと思い込み、自分のことを中心に考えがちです。
そんな彼女が関わっていく絵、特に色んな画材が出て来て面白いです。
パステル、アクリル……名前は知っていても、細かなことまで知らない画材の世界が物語には広がっています。

恋愛の面でも、瑠璃は絵の先生である澤田、彼の弟子である湊人との間で揺れているようでそうでもないようで……彼女の絵の才能の行方とともに、恋の行く先も瑠璃が変われるのかどうかも気になる、優れた長編となっています。
特に後半は、瑠璃が関わる作品が完成するのかどうかわからずドキドキでした……!

読みやすい上に、毎話続きも気になる構成ですので、ぜひ読んでみてください。
朝読小説に応募されている作品で、個人的には、朝に少しずつ読むのにぴったりな作品だと思いました。

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