現実世界にはフレームなんか無いんです
- ★★★ Excellent!!!
――面白かったです――ここで終わると語彙が無いといわれちゃうので……
とある画家の先生を通じて知り合った、ちょっとシャイなボーイと、ADHDなガールの、ガールミーツボーイの物語。
主人公の女性は、ADHDといわれます。でも、思い込みがほんの少しだけ強い、注意がほんの少しだけ散漫な、少しだけ自己中心になってしまう、本当に普通の喜怒哀楽が激しい女の子なのです。
だから、周りの人達が気長に付き合ってあげる事さえできれば(これって、普通に友達付き合いする時もそうですよね? ちょっと趣味が変だから、自己中だからって、拒まないでしょ)普通に、相棒になれるんです。
絵画の世界では額縁(フレーム)の中でしか描かない。でも、そのフレームの外をイメージ出来るかで、絵の深さが全然違ってくる。その部分は小説と同じだと思います。
主人公もADHDの性質としてフレームの中でしか自分の考えを持てない。でも、経験を積んで、少しづつ自分のフレームを広げて行ければ、そして世界全てがフレームになれば、それで良いんです。
読んで、ほっこり、にやり、とする作品です。