英雄は謳われず、詠われる

英雄とは謳われるものである。

後の世に『創世王』と呼ばれる男は、謳われることなく世界の歴史に現れる。
人々から見下ろされる足元から、創世王の伝説は詠われる。

信じるべき家族に裏切られ、少年は再度の裏切りに日々怯える。
少年は、周囲のほとんどの人間は気づいていなかった。
気づいたのはほんの一握りの人の上に立たねばならぬ立場の者だけ。
少年の類稀なる人をまとめるという才能を……

この作品は、とても読者に寄り添う書き方をされているように思う。とても良い意味で読者を選ばない。仮にこの作品が初めて読む小説となったならば、その読者は間違いなく読書好きになるに違いない。
作者の独りよがりにならない、読者と共に歩んでくれるお薦め作品です。
是非、御一読を。

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