この実世界の曖昧さと、確実なものを感じ取れます

 怪人の事、ヒーローの事、それらを考えると、正義とは酷く曖昧で、それと表裏の関係にある悪も同じく曖昧な存在だったのだと気付かされます。

 読み進めている内に、少しずつ斜に構えてしまうのですが、ふと正気に戻される一言を作中でいただけました。

 覚悟です。

 それだけは曖昧さを持たないものです。

 成る程、私は知らず知らずのうちに、曖昧であるはずの正義と悪を絶対的なものと思い込み、本来、身に着けておかなければならないはずの覚悟を身に着けていませんでした。

 この物語の中でも、覚悟を決めて進んでいるキャラは少数で、世の中の大半の人は、そういった曖昧な点を曖昧なままで、「多分、こうかな?」くらいな気持ちで、正義を執行し、悪を断罪している気がします。

 エンターテイメントの基本を押さえつつ、少し考える事柄を与えてくれました。傑作です。