貴女の為に、悪役令嬢

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（232文字）

ローラ・マルティスはお世辞にも美人とは言えない顔立ちで、ゲームではヒロインを虐める悪役令嬢。

そんなローラに転生した主人公が、既にしっかりと嫌われ者の基盤が出来上がっている状態の中、とある目的のためにゲームのヒロインであるアリスに近付くことから物語は始まります。

待ち受けるのは、数々の障害、恐ろしい陰謀、想像を絶する苦難。

誰が誰を陥れようとしているのか？
何故どうして、何の目的で？
何が起ころうとしている？　何を起こそうとしている？

息をもつかせぬ怒涛の展開の連続に、呼吸すら忘れかけてのめりこんでしまいました。

それでもローラは何者にも何事にも屈することなく立ち向かい、彼女の強く…続きを読む

一味違う悪役令嬢物。
思わず、一気読みしたぐらい波乱、謎、陰謀、そしてまた波乱の連続。
主人公ローラの不遇とそれにも負けず立ち上がる強さと、死を厭わないき潔さ。そう言うものに『固唾を飲んで惹き込まれる』物語です。

悪役令嬢というと、どんな人物を思い浮かべるだろうか。
高飛車なお嬢様？それとも最近の転生ものを見慣れた方ならば、実は素朴で優しい人柄なんかを想像するかもしれない。
けれど、この物語の主人公『ローラ』は違う。
『ローラ』は口は悪いが誰よりも頭が切れ、勇敢で、そして情に厚い。愛する者のために時に命をかけ、懸命に困難に立ち向かう。

これは一人の勇気ある転生者の、誇り高き生き様を描いた物語だ。ぜひ彼女の苦難に満ちた、しかし力強き道程を多くの人に読んでもらいたい。

最後に、長き旅路を終えたローラと作者に敬意と祝福を込めて、一言伝えたい。

ありがとう。

悪役令嬢ものというのは、乙女ゲーム世界の主人公のライバル役（多くの場合は性格悪くて主人公をいじめてフラグ立てまくって負ける）に転生した主人公が、負けルート回避したり、悪役令嬢の運命に抗うって話。それが典型。

さて、その意味では、本作品も悪役令嬢モノとしてのスタートを切る。
事故にあった主人公は悪役令嬢ローラ・マルティス公爵令嬢に生まれ変わるのだ。

そして始まる学園生活。
そこでは自らの悪評に溢れ、初めからローラはいわれなき風評に悩まされるのです。
しかし、それにめげず、ローラは正ヒロインのアリスを幸せに導くために頑張ります。

さて、ここまで聞くと
「富升さんが、王道の悪役令嬢ものラブコ…続きを読む