悪役令嬢は愛する人の為に、愛する人達は悪役令嬢の為に

ローラ・マルティスはお世辞にも美人とは言えない顔立ちで、ゲームではヒロインを虐める悪役令嬢。

そんなローラに転生した主人公が、既にしっかりと嫌われ者の基盤が出来上がっている状態の中、とある目的のためにゲームのヒロインであるアリスに近付くことから物語は始まります。

待ち受けるのは、数々の障害、恐ろしい陰謀、想像を絶する苦難。

誰が誰を陥れようとしているのか?
何故どうして、何の目的で?
何が起ころうとしている? 何を起こそうとしている?

息をもつかせぬ怒涛の展開の連続に、呼吸すら忘れかけてのめりこんでしまいました。

それでもローラは何者にも何事にも屈することなく立ち向かい、彼女の強く真っ直ぐな心に打たれ、周囲の人達との関係が徐々に変化していきます。
ゆっくりと育まれていく信頼と想いが、光となってローラを照らしてくれる――先の見えない闇のような状況だからこそ、そのあたたかさがより胸にしみました。

どうか皆様にもこの物語を読んでいただき、鳴り響くエルドラインの鐘の音を聴いてほしいです。
私の耳には痛く切なく、それでいて何よりも優しい響きがまだ余韻を奏でています。

この物語に出会えて良かったと、心から思います。

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