欠片から

 野球漫画の草分けの一つ、『ドカベン(水島新司、秋田書店、敬称略)』で、山田のライバルだった男が卒業後に陶芸家の道を歩んだ。ひょんなことで山田がその男を尋ねると、彼はスランプになり、気に入らない自分の作品を床に叩きつけて割っていた。一度失敗した作品になんの価値がある、と息巻くその男に、何故失敗したのかを見詰め直せると山田は諭した。男は納得してスランプから脱出した。
 自分の作品を見据え直す時、バーグさんがそばにいてくれたら、これほど心強いことはない。たまに毒舌を吐くにしても。